タイトル『運命の糸は 鮮血の赤(あくあポリス、1万Hit記念)』

















自分を好きになれたのは、あの日のあなたの言葉があったから


















だから、今もこうして 生きている


















あなたが好きだと言ってくれた 私のそれは、今日も風を遊んでる















































ひやりと冷たい風が、駆け抜ける。



ベランダの手摺りに身を預け、あなたはそこに立っていた。



私はその近くでうずくまり、声を殺して泣いていた。


















「ったく、ま〜た イジめられたのかよ・・・」



闇に包まれた空を背に、はエドの家で泣いていた。



この光景は、日常茶飯事。



エドはいつものようにを慰める。



「だって、みんなが・・変な目で見る・・んだも・・。私のこと・・・・・」









の髪は赤かった



鮮血のように 赤かった









劣性遺伝のせいだろうが、幼い子どもに理解するのは困難で。



物心ついた頃から、はそのせいでイジめられていた。



しかし 幼馴染のエルリック兄弟、ウィンリィだけは仲良くしてくれた。



「人の目なんか気にしてたってしょうがねぇだろ?泣くのは止めて、早く寝ろ!」















「それに、明日は・・・」



エドワードは言葉を濁す。





明日は・・・


























そう、エルリック兄弟が旅立つ日



本来ならば、こんなところに居てはならない。



明日へ備えて、睡眠が必要だった。



しかし、今日もまたいつものようにが走ってくるだろうと踏んだエドは、こうしてここにいてくれた。



それがとても嬉しくて、余計にの涙は止まらない。



「・・・ゴメ・・ンね・・・、明日は・・・大事な日なの・・・・に」



は俯いたまま、申し訳無さそうにエドワードに言った。



頼り無い 震える細い肩を、エドワードはじっと見つめている。



そして、何か思いついたようにへと手を伸ばす。



フワッ



一瞬、何が起きたか理解出来なかった。



優しく引き寄せられて 気が付くと、微かに金色の髪が視界に納まっていた。



「エ、エド!?」



あまりに驚いたの瞳から、既に涙は消えていた。



少しの身動みじろぎではビクともしない、はしっかり抱き締められた。











「オレ、お前の髪 嫌いじゃねぇよ・・・すげぇ、綺麗だと思う。」











がエドの背に手をまわして数分後、エドはから少し離れた。



不思議にエドを見つめていると、エドは自分の頭に手を伸ばす。



そして、綺麗な髪を1本 プツリと抜いた。



「左手、出してみろよ・・・」



言われたままに、手を差し出す。



スラリとした白い指 左の小指に、それはきちんと結ばれた。



は、月明かりに手をかざす。



透き通るようなその髪は、の指に良く映えた。



「オレ、これだけは信じてる。」










左手の小指、それはつまり・・・










は思わず微笑んだ。



「相手、私なんかでいいの・・・?」



嬉しそうに聞き返す。



「良いも悪いも、オレがお前を幸せにしてやるんだよ!・・・でも」



エドワードは言葉を遮った。



見つめ合ったに向かい、顔を赤らめてこう続ける。



「な、泣き虫を、オレたちが元に戻る前に卒業することが条件だ!!そうじゃなくちゃ、幸せにしてやんねぇかんなっ!」



の瞳には、またうっすらと涙が浮かぶ。



信じていい言葉たちを、ひとつひとつ確かめる。



「うん・・・じゃあ、泣き虫は止める・・・」



微笑みながら泣くに、エドは困ったように言う。



「・・・また・・・泣いてるじゃねぇか・・・」



「・・・泣いてないもん。」



エドは、自分の手を見つめるにこう言った。



「お前の、オレに結んでくれねぇか・・・?」



その問いに、思わずは不安そうに聞き返す。



「この髪・・・で、・・・いいの?」



するとエドは、満足そうに返事をした。



「お前の髪の方が、それっぽいだろ?・・・綺麗な色だ。」



は照れながらも髪に手をかける。



肩ほどしか無い一本を、エドの左手にきちんと結んだ。



「なっ?それっぽいだろ??」



自分の顔の横に、手をかざして見せた。



月明かりを背に微笑む顔は、影を落として いつも以上に美しい。



は思わず微笑んだ。















自分の髪を始めてたたえてくれたは、この世で一番大好きな人








































次の日、二人は別れを選ぶ



昨夜の髪は、互いの小指に結ばれたまま・・・

























































あの日の約束、覚えてる?



あの日から私、泣いて無いの



あなたとの約束、守っているよ



幸せには、あなたと一緒になりたいと思うから・・・



明日はとうとう、あなたが帰ってくる日



この糸が切れないように、あの日から髪は切らないままで



今ならもっと、繋がってる気がする



私のこと・・・思い出してくれるかな



あの日の約束、思い出してくれるかな




















あの日から、大切に保管されていた。



衰えること無く輝くそれは、今も尚 変わらぬ光で彩られる。



今でも信じていて欲しい・・・



『 運命の赤い糸 』


























































列車から降り立った青年は、真っ先に女性の元へと走り出す。



小指にはあの日の髪が、燃えるような紅い髪が・・・

















しっかり、変わらぬ輝きで 存在している。






































あとがき。


訪問、有り難う御座います! そして、1万打オーバー有り難う御座います(>_<)これも来て下さる皆様のおかげです。本当に嬉しいです。

こんなにたくさんの方が来て下さるなんて思って無かったので、なんか不思議な感じ・・・

本当に、お礼に値するかわからないですがまたフリーを書いてみました。気に入って下さった方はお持ち帰り下さい。

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では、本当に有り難う御座いましたv

これからも、「あくあポリス」を宜しくお願いします(^^)/

2005/12/24




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