タイトル『アバンチュール 第1話』
















「まってー、まってったらー!」



























草原の緑が心地よい



























「ほら、早くしろよー!」




「そうよ、置いてくわよー。」



























風は優しく、子供たちの頬を撫でていく



























「競争だって言っただろー!」



エドとウィンリィの姿は、どんどん遠のくばかり。




「もー、まってよぉ・・・」




半ばべそを掻きながら、は二人の後を追う。






ステンッ






転がっていた石につまずき、は転んでしまった。



エドとウィンリィの姿は、もう見えない。



「エドォ、ウィンリィ・・・」



が泣き出しそうなその時だった。



、大丈夫?」



頭の上で声がした。



























顔を上げると、そこにはアルの姿。



「・・・うん。」



アルの手を借りて立ち上がる。



その頃には、の瞳から涙は消えて無くなっていた。



























アルの眼差まなざしが、好きだった。



自分を優しく包んでくれるような微笑みが、好きだった。





「ありがと、アル。」





の言葉に、照れたように微笑むアル。



この笑顔も大好きだ。























































ミー



























「・・・え?」


微かに聞こえた泣き声に、は耳を疑った。


「どうしたの?」


「ネコのなきごえが、しなかった?」


の言葉に、2人は静かに耳を澄ませる。























































ミー























































「子猫の鳴き声だ!」


アルの声を口火に、2人はその声の主を探した。



























、いたよ!」


子ネコは、木の根元に蹲っていた。


「・・・かわいそう・・・」


子ネコは弱り、今にも死んでしまいそう。





泣きそうになるを横に、アルはその子ネコを抱きかかえる。


「持って帰ろう!僕、母さんに頼んでみるよ。」





懸命に、を励まそうとするアル。


は自然に、アルの服の袖を掴んだ。























































「・・・そう。じゃあ、ミルクを持って来なくちゃね。」


「「やったぁー!」」


部屋中に、二人の声が木霊した。


エドは何のことだか、さっぱり分からないらしい。


隣の部屋から顔を覗かせ、「???」と眉を歪ませていた。


アルはそんなエドを手招きし、抱いていた子ネコを兄に見せる。



























ミルクを貰い空腹が満たされたのか、子ネコは甘えだす。


「そうだ、名前をつけなくちゃね。、何て名前がいい?」


に甘えた子ネコを見て、アルが言った。


は暫く考え、思いついたように口を開く。



「『 エアー 』がいいな。アルとエドのなまえがはいってるでしょ??」



振り返ったは、幸せそうな笑顔だった。


単純かつ素直な言葉に、二人が笑顔になったのは言うまでも無い。



























「よしっ。今日からお前は、エアーだぞ!」


アルは、エアーを抱き上げた。


そして まだ頼りないその顔に、そっと一つ キスをした。














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あとがき。

ずっとやりたかった、アル夢の新連載です!
「アルと言えば、ネコでしょう。」ということで、猫ネタですv
最近更新してなくてすいません;;
これからも、お付き合い頂けると嬉しいです!



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