タイトル『アバンチュール 第2話』
















「・・・じゃぁ、あしたもくるからね・・・」



もう外は暗くなり始めている、小さなに夜道は危険だ。



エドとアルの母親に忠告を受け、は渋々エアーをアルに預けた。



そして、名残惜しそうにエアーから離れる。



しかし・・・











ニー











エアーは引き止めようとしているのか、の後を追おうとジタバタ暴れ始めた。



「・・・もしかして、エアーはと一緒がいいんじゃない?」



エアーを腕から逃がし、駆け寄る様子を見つめてアルは言った。



に撫でられるエアーは、実に幸せそうだった。



「うーん、でもおかあさんがいいっていってくれるかなぁ・・・?」



嬉しそうに抱き上げたものの、少し困った顔をして じゃれてくるエアーを見つめる。






「僕も一緒に行ってあげるよ!」






は、アルの言葉に目を輝かせる。



「ありがとう、アル!!」



こうして二人はの家へと向かった。



一人ポカンとしているエドは、母に優しく頭を撫でられた。



























「・・・おかあさん・・・」



は夕食の支度をしていた母親に近づいた。



「おかえり、。・・・あら?どうしたの、そのネコ。」



娘の姿を確認するはずが、その腕の中に納まっていたものに目を奪われた。



「木のねもとで、たおれていたの。・・・かっちゃ、ダメ?」



腕の中の子ネコは、甘えるように鳴いている。



しかし、可哀相というだけで生き物を飼っていいものか・・・母が考えを巡らせていたその時。





「僕のお母さんは良いって言ったけど、エアーがから離れないんです!僕からもお願いしますっ!!」





アルは、バッとお辞儀をしてみせた。



もつられて、「おねがいします!」と頭を下げる。



























そんな微笑ましい光景に、母はつい笑ってしまった。



「アル君に そこまで言われちゃあ、かなわないわね。・・・わかった、いいわよ。」



この言葉を聞いたは、目を輝かせて頭を上げた。



「ほんとっ!? おかあさん、ありがとう!!」



「有難う御座います!よかったね、!」



アルも嬉しそうに言葉を掛ける。



「じゃあ・・・その子のベッドを作るから、ちょっと待ってなさいね。」
















の母親は、別室へ消えていった。



部屋に残されたのは、アルととエアーだけ。



アルがに声を掛けようとした時、アルはの変化に気付いた。



「・・・どうしたの、?」



下を向いたままの



間も無く、ポタポタと落ちる雫がエアーの体を濡らす。



























「もー、すぐ泣くんだから〜」



アルは苦笑して、の頭を撫でた。



「よかったぁ・・・あるぅ、ありがとぉ〜」



泣きながら礼を言うに、アルはねぎらいの言葉を掛ける。



「頑張ったのはでしょ?毎日会いに来るからね。」



アルの言葉を聞くと、はコクコクと首を縦に振る。



そんな仕草を見せるも、アルはどうしようもなく好きだった。



























は、エアーを床に放した。



エアーは探検をするかのように、部屋中を見渡し始める。



その経過を少し見守ったが、はアルに抱き付いた。



「ぇ、!!??」



驚いたのはアルである。



























「アルぅ、だいすき。」



























『 ど、どうしちゃったんだよ・・・!? 』



アルは慌ててを離そうとした。



しかし、次の言葉にその気を奪われる。






「エアーをかえるの、アルのおかげだもん。ほんとにだいすき・・・」






ガクッと、すこし頭を垂れるアル。



しかし、こんなも可愛らしい。










一つしか年齢が変わらないなんて・・・










アルは静かに微笑んだ。



そして、優しく抱き締める。



「頑張った、頑張った。」



ポンポンと背中を叩かれると、はアルの胸に顔を埋めた。



『 また泣いたな? 』



アルが微笑んでいるなんてつゆ知らず、はアルに抱き付いたまま離れない。



























そんな微笑ましいやり取りを、探検に飽きたエアーが見つめていた。















NEXT→


Created by DreamEditor