タイトル『あなたに誓うは永遠の忠誠 第11話』
















「そう気を落とさないでよ、兄さん。」



沈み込んだ兄を横に、アルは励ましの言葉をかけた。



「気を落とす以外、何をすればいいんだよ・・・」



エドはアルをちらりと見ると、深いため息を付く。



今回も、自分たちの探すものへの手掛りは掴めなかった。



噂は信憑性が薄い事も判明し、この街を離れなければならない。



「寂しいね・・・ともお別れなんだ・・・」



「・・・あぁ」



エドも少しだけ心細そうに言葉を返す。



「兄さんは余計辛いよね。の事、好きなんでしょ?」



突然のアルの言葉に、エドは飛び上がる様な勢いで立ち上がった。



「な、何言ってんだよ!! んなわけねぇだろ!?」



エドの言動に、アルは心の中で苦笑した。



「ウソ。だって・・・顔に『 好き 』って書いてあるよ?」



エドは自分の顔を触った。そして、真っ赤になってアルに抗議する。



「書いてあるわけねぇだろ!!」







一部始終を見ていたアルは、少し微笑んでエドに言葉を返す。



「認めなよ、兄さん。少なくとも、僕は両思いだと思うよ?」



「そ、そんな訳ねぇだろ。あいつは・・・」



アルは消極的なエドに向かい、最後の一言をかける。



「素直になりなよ。今 言わなかったら、一生会えないかもしれないんだよ?」



アルの言葉に、エドはハッとした。



いつでも会えるなんて、考えてはならないのだ



急に真剣な面持ちで、エドはアルに問いかける。



「あいつ、どこにいる・・・」



アルは、嬉しそうに言葉を返す。



「今の時間なら、裏庭で洗濯物を干してるんじゃない?」




「・・・サンキュー・・・」





アルの言葉が聞こえたのか聞こえないのか、エドは小さく礼を言うと裏庭へ向かった。



「世話がやけるんだから、全く。」



一人残されたアルは苦笑する。



そして、これから訪れるであろう結末に 至福の光を刹那に願った。


















息を切らせて、風を斬る



頬にまとわりつく暖かな光を、希望の光に換えながら







ハアッ ハァッ・・・



疲れて木の幹に手をかけ ふと顔を上げると、視界に洗濯物を干すが映った。



太陽の優しい光に、白い肌が透ける。



風になびく髪は、微笑むによく似合う。



思わず眼を細めるような、それでいて惜しいような光景が そこにはあった。



『 やっぱり・・・オレは・・・ 』



に惹かれている自分に、ようやく素直になれる気がした。



息を整え、一呼吸する。



そして、のいるその場所へ 一歩足を踏み出した。





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