タイトル『あなたに誓うは永遠の忠誠 第3話』
















「ここで、少し待っていてもらえますか? 父に話してきますので・・・」



そう2人に告げると、は宿の中へ消えていく。 エドは、その姿をじっと見つめていた。



「わ〜、綺麗な建物だねえ!」



アルは、ふと兄に声を掛ける。小さめな建物だが、設計者のセンスが光っている。



あぁ とエドは素っ気無く答えた。が消えた扉を見つめながら・・・



「兄さん、の事好きになっちゃダメだよ? 僕たちは、旅をしているんだから。」



少し前から、アルはなんとなく2人の状況を察知していた。



そんなアルの心理を知ってか知らずか、エドは慌てて否定する。



「な、何言ってんだよ! アル!! 俺が、今の状況で人を好きになれるとでも思ってるのか!!??」



ゴメン、ゴメン と謝りながらも、アルは内心微笑んでいた。そして、エドの仄かな恋心を誰よりも喜んだ。



そう、アルは気付いていたのだ。人に指摘されると、その人の想いは一層募るという事を・・・













その時だ。が消えたドアから、体格の良い男性が勢いよく飛び出してきた。



「お前達かーーーー!!!うちの娘を助けてくれた命の恩人はーーーっっ!!!!」



「??!!」



アルは咄嗟の判断で、男性のあつい抱擁を免れた。しかし、気を抜いていたエドは・・・



「ぎゃあああああーーーっっ!!」



あつい抱擁に巻き込まれた・・・



「ち、ちょっと。お父さんっっ! エドが死んじゃう!!!」



が慌てて、エドと父親を引き離した。



ゴホゴホッ とエドの咳き込む声が響く。



「ゴメンね、エド! 大丈夫!?」



まだ途切れ途切れの息で、エドは「大丈夫だ」と返した。



「えーと、いきなりゴメンね。・・・父です」



「お父さん、こちらがエドワード・エルリックさんとアルフォンス・エルリックさんよ。」



は何とか父を落ち着かせ、紹介する。



紹介が済むと、は二人を部屋へと案内した。









「いって〜〜〜。の親父さん、すっげぇ強いんだな・・・」 エドは、あちらこちらの関節を撫でながら言った。



「お父さん、普段はあんな風じゃないのよ・・・感動するとああなっちゃうの。本当にゴメンね。」 は苦笑しながら答える。



アルは、どっかの誰かとそっくりだ・・・ そう心の底から思っていた。



「あ、この部屋です。アルは隣の部屋ね。」



今は観光シーズンで無い為 部屋に空きがあるらしく、二人は一つずつ部屋を取って貰えたのだ。



荷物を運び終えると、は夕食の支度の手伝うのため部屋を後にした。









夕食の支度が出来たと声が掛かり、二人はホールへ向かう。



ホールには、ビールを片手に話している人たちがたくさんいた。



「あ、二人はそこの席ね!」



くるくると動きながら、は立ち尽くしていた二人に声を掛ける。



このホールは夜になると酒場になると聞いていたものの、ここまで賑わっているとは考えなかった。



たまにに話しかけながら食事をしようと考えていたエドは、この状況にショックを受け 黙々と皿に向かう。



しかし、結局 忙しく働くを見ながら食事をしているエド。



そんな様子を、アルは微笑みながら見ていた。








、いる?」



エドの食事も済み ホールも大分落ち着きを取り戻した頃、アルは洗い物をしているを訪ねた。



「あれ? どうしたの??」 は洗っていた手を休め、アルに視線を移す。



「実はね、兄さんがさっきから元気が無いんだ。、元気付けてやってくれないかな?」



「・・・うん、いいけど。私でいいの?」



はアルの言葉を不思議に思ったが、笑顔で頷くアルを見て 片付けが終わった後、エドの元へ向かうことにした。











後書き。

パパの登場ですね。イメージとしては、

1、顔・声はシグさん風

2、性格は(アームストロング少佐強め)、 (アームストロング少佐+シグさん)÷2

です(笑) 少し面白おかしく。

やっと続きが書けました。読んで下さって有難う御座いますv




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