タイトル『あなたに誓うは永遠の忠誠 第4話』
















俺、今日おかしいよな・・・



あいつが他の男と話してるのを見ると、イラついてくる



夕飯の時だって、働くあいつばかり眼で追ってしまった



おかげで、飯の味なんか覚えちゃいねぇよ・・・



この気持ちは、一体なんだ?



あいつともっと一緒にいたいと思う、この気持ちは・・・













あ〜〜〜、わかんねぇよっ!! ・・・大体、考え事なんて俺らしくもない。」



エドは一人 部屋の窓に腰をかけ、頭を抱えて唸っていた。



そして に出会ってからの自分に異変を感じ、一人悩み続けている。



コンコンッ



「エド・・・少し話がしたいんだけど、入れてもらえる?」



エドがもう一度 唸りかけたその時、ノックの音と共にの声がエドの耳へ届いた。



ガバッと起き上がり 返事をすると、遠慮がちにが部屋へ入って来る。



「そんなところに突っ立ってるなよ・・・」



を正面から捉えられないものの、エドは自分の近くに来るよう促す。



はエドの近くに来ると、机と対になっている椅子に腰掛けた。



エドは少し笑いながら話しかける。



「飯、旨かったぜ。ホールの栄えてたし、いい宿だな ここ。」



「ホント? 口にあって良かった! ホールはいつもあんな感じなの・・・ろくに話も出来なくてゴメンね。」



は、少し申し訳無さそうに謝った。



そして、また沈黙が生まれる。



「で、どうしたんだよ? 話があったんだろ??」



エドが視線を合わせると、はっとしたようには話し始めた。



「・・・うん。あのね、エドって強いなぁと思って。」



ころりと表情を変え、は微笑む。と同時に、エドの心臓には変化が訪れた。



『 何だ・・・? 何で心臓が早くなるんだ? どうして顔が熱いんだ!? 』



「・・・エド?」



は、エドの顔を覗きこんだ。



電気を点けていないので、月明かりしか表情を知る術は無い。その逆光により、少し具合が悪そうに見える。



「大丈夫!? なんだか、具合が悪そう・・・熱があるの?」



の心配する声を、エドは必死で否定した。



「大丈夫、心配すんなって。・・・俺が強いって言うより、あいつらが弱かったんだよ。」



少しおどけて笑う。エドのそんな様子を見ると、は安心したように言葉を続けた。



「そんな事無いわ。あんなに人がいたのに、助けようとしてくれたのはエド達だけだったもの。」



「・・・そうか?」



エドは、明らかに自分はおかしいと思った。



照れたように笑うを、直視できない自分がいるのだ。



そして、ついポロリと本音をこぼす。



「お前、可愛いんだから気を付けろよ・・・」



エドは自分の言葉に眼を見開いた。しかし、時 既に遅し。



「・・・う、うん」



は真っ赤になって俯く。



同年代の男の子に、可愛いと言われるのは初めてだった。



店を訪れる客からは言われていたが、冗談だ と信じて疑わなかった。



初めて、自分に言ってくれた言葉。それも、不思議な気持ちを抱いた人に。



は、初めて心の底から嬉しいと思った。



そしてこれを・・・



恋だと知った





あの時 感じた気持ちは これ



離れてしまいたくない、側にいたい気持ち



高鳴る胸の音 貴方が笑うと綻ぶココロ





「いつまで・・・いつまでここにいられるの?」



自分の気持ちを理解したは、静かにエドに尋ねる。



窓の外を見ていたエドだが、の質問が聞こえると視線を部屋に戻した。



「あー、正確には言えねぇけど・・・ここの図書館に、調べる事があってさ。それが終わるまでだ。」



「そう。」



が返事をすると、せいぜい一ヶ月ってとこかな? と付け足した。









「ありがとう。じゃあ、もう寝るね。明日から、調べもの頑張ってね。」



は立ち上がりながら話した。



「サンキュー。じゃあ、おやすみ。」



窓に腰掛けたまま、エドは片手を上げて見送る。



しかし ドアの前で立ち止まるを不思議に思い、問いかけた。



「・・・どうした?」



エドに背を向けていたは、その言葉に振り返った。



「本当はね、アルに『 兄さんが元気が無いから励ましてくれ 』って頼まれて来たの。でも・・・」



「その様子じゃ大丈夫かな? ・・・おやすみなさいっ!」



パタリとドアを閉め、は出て行った。








「・・・ちくしょ、アルのやつ・・・」



去り際のの表情が頭から離れない。少し照れた、可愛い笑顔。



エドは片手で顔を覆った。



「俺・・・あいつの事、好きなのか?」



自分で自分に問いかける。



その答えは数分後、確かに心の中で肯定された。














付け足し→綻ぶ:ほころぶ と読みます。

自分が分からないくせに、雰囲気のため変換してしまいました(汗

すいませ・・・




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