タイトル『あなたに誓うは永遠の忠誠 第5話』
















「二人とも、お昼にしない?」



は 二人のタイミングに合わせ、声を掛けた。



出会ってから、約一週間。



は 二人がほぼ同時に 本から顔を上げる瞬間を狙って、声を掛ける事がうまくなっていた。



三人はいつも、図書館の近くの公園で昼食を取っている。



「あぁ、そうだな。」



エドの言葉を先導に、三人はいつもの公園へと歩き出した。









「はいっ、今日はサンドウィッチにしてみました!!」



は自信あり気にバスケットを開けた。



二人から感嘆の声が漏れる。



「すっげ〜。ウマそうだな!!」



「スゴイね! だんだん腕が上がってるんじゃない?」



エヘへ とは笑ってみせた。



食事の事は父親に任せっきりだったので、一から教わりここまでになったのだ。



褒めてもらえる事が、一番嬉しかった。



「ありがとう、二人とも。さぁ、食べましょ!」



そう言うと、エドにサンドウィッチを手渡した。



「アルはこれでいい?」



アルには、また別の包みからパンとミルクを取り出し 手渡した。



「アル? お前、そんなの貰ってどうするんだよ??」



サンドウィッチに齧り付こうとしていたエドは、驚いたように声を上げた。



「うん、ちょっとね。」



アルとは顔を見合わせて笑う。



「なんだよ!『 2人の秘密 』ってやつか?」



それを気に入らないと感じたエドは、少し ふてくれされた様に言った。



「違うよ、兄さん。」



「見ればわかるわ。」



二人の言葉に 「?」と疑問符を浮かべたエドだが、アルに案内されるがまま 木の根元へと足を進めた。









「ほら、出ておいで。」



アルは木の根元へつくと こう言った。



ミー ッ



「こ、子ネコ!?」



エドは素っ頓狂な声を上げたが、冷静になってアルに言う。



「ったく、いつもいつも お前は・・・俺たちは生き物なんて飼えないんだぞ!」



二人から少し離れた所にいたは、エドに説明する。



「大丈夫よ、エド。その子は私が面倒を見るってアルと約束したから。」



「ここに居られる間は、僕が面倒をみたいんだ。いいでしょ? 兄さん・・・」



弟の切実な訴えに負けたのか、エドは はあっ と軽く溜め息をつくと



「今だけだからな!」



と言ってその場を離れた。



アルとが飛び跳ねて喜んだのは、言うまでも無い。








しかし、その時アルはふと考えた。



『 どうして兄さんは、簡単に許可したのだろう 』と。








この時エドは考えていた。



『 いつかは、ここを離れる事になる。自分達がここに居た事を、に忘れて欲しくない 』と。



この子ネコは、証なのだ。



自分が、確かに存在していたという―――







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