タイトル『あなたに誓うは永遠の忠誠 第8話』
















夕食を終え 時間が出来た三人は、いつも昼食を摂っている公園へ行く事にした。



公園に着くと、とエドはブランコへと足を運ぶ。



アルは、「また猫が捨てられていないか見て来る」などといって姿を消した。



夜の公園に人は無く、月明かりに照らされた二つの影だけが遊具の影と共に地面に映されている。



「懐かしいなー・・・この公園ね、小さい頃 よくお母さんと遊びに来たの。」



ギィと軋む 少し錆びかけのブランコを、はそっと漕ぎ出した。



エドは隣のブランコに腰掛け、黙っている。



「私ね、お母さんとの記憶 あんまり無いんだ。大きくなる前に、病気で死んじゃったから・・・」



黙っているエドを気遣ってか、は母親との思い出を語り始めた。





小さい頃の自分と、いつも優しく微笑む母親



父がダメだと言っても、母はいつでも自分の相手をしてくれた



何度・・・何度、もう一度あの笑顔を見たいと思っただろう





「死んだ人が・・・生き返ればいいのにな・・。」



は、ふとこんな事を口にした。



すると、それまで黙っていたエドが口を開く。



「・・・死んだ人間は、その役目を果たした。だから死ぬんだ。生き返る理由なんて、存在しない。」



バッと、はエドを見た。そして、思わず立ち上がる。



瞳には、微かな涙。



「どうして?! どうしてそんなこと言うの?・・・人を亡くす悲しみなんて、わからないくせにっ!!!」



そう言うと、一目散に走り出した。



一刻もこの場から離れたかった。



「『 人を亡くす悲しみなんて、わからないくせに 』か・・・」



エドは、フッと薄笑いを浮かべる。



「その悲しみが解るから・・・お前には、同じ間違いなんかして欲しくねぇんだよ。」



がいなくなったブランコで、エドは小さく呟いた。










「あーぁ。どうして、もっと違う言い方が出来ないかなぁ・・・」



ため息と共に、茂みの奥からアルが姿を現した。



「なっ・・アル!! お前・・・聞いて!?」



ブランコから落ちそうになりながら、エドは大声をあげた。



『 夜だから静かな上に、あんなに大きな声だから嫌でも聞こえちゃうよ・・・ 』



アルは微かに苦笑しながら、思った。



も・・・錬金術の素質があるんだね。だから、あんなことを考えてしまう・・・」



アルは呟いた。



「あぁ・・・興味も持ってるから、なおさらだ。あいつに同じ間違いはさせたくない。」



エドの言葉に、アルも頷く。



「僕も、にこんな思いさせたく無いよ。」



二人は顔を合わせた。



そして、寂しそうに笑いあった。



「あいつには、オレから話しておく・・・」



「いいけど、また泣かせないでよ?」



アルの言葉に、エドは「おう!」と自信あり気に笑ってみせた。







月明かりは、先程とは違う 二つの影を映し出していた。





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