タイトル『偶然?運命?神の悪戯?・・・私は貴方を信じてる 第12話』
















プルルルルー



日も正午に近い頃、電話の着信音が轟いた。



はパタパタと走り、受話器を取る。



「はい、です。あ、お世話になってます。」



その様子を見ていたエドは、急に明るくなったの顔に不満を覚えた。



自分以外の相手に、そんな表情をするのを嫌ったらしい。







そんなことに、当の本人は気付くはずも無く、受話器の向こうの相手と会話を進める。



「ホントですか!?はい、有り難う御座います。これから伺いますので・・・!」



一通りの会話を終えると、はカチャリと受話器を置いた。



エドワードはふてくされた様にソファーに座る。



パタパタと、の足音が聞こえてくる。
















「エドッッ!やったよ!!」
















リビングに入ってくるなり、はエドに抱き着いた。





「なっ、おま・・・どうしたんだよ!!??」





先ほどの不機嫌はどこへいったのだろうか・・・



のいきなりの行動に、エドは驚き顔を真っ赤にさせた。



「あのねっ・・・!」



振り向いたエドと、その背中に抱きついたの視線が近距離で絡み合う。





















・・・!?





















バッと二人は距離を置く。



互いに顔を赤くして、照れ隠しに下を向く。



「・・・どう、したんだよ・・・」



エドが先に言葉を発した。



その言葉に、は先ほどの会話を思い出しこう言った。



「・・・あのね、この前の新聞の記事書いた人が会ってくれるって!」



その表情は、心の底から嬉しそうだった。



エドは、信じられないとばかりに眼を見開く。



「・・・ほ、本当か・・・?」



ようやく これだけ口にした。



その様子に、はおかしそうに笑っていた。



「ホントもウソも無いわ・・・さっきの電話、社長さんからよ? ね、だから これから仕度して行きましょ!」



は、ソファーからエドを立ち上がらせる。



そして、仕度を済ませるべくリビングを出て行った。



その背中を、エドは暫く見つめ続けた。

















































リビングからエド以外の人気が消えた。



リビングと廊下を繋ぐ扉が、少し開いているらしい。



暖かいリビングに、少しだけ冷気が流れ込む。



「両親は共働きで帰ってこない。・・・また、一人に・・・」



がいなくなったリビングで、エドワードはぼそりと呟いた。



『 また、一人きりにしちまうのか・・・オレ・・・ 』























いつか訪れてしまうであろうその時が、永遠に訪れることは無いだろうと思うのは間違いで・・・



そうとは分かっていながらも、永遠の夢をみたいと思う



そう思う自分は我儘だろうか・・・



エドワードは自分に問いかけた



『 自分はどうすれば良いのか 』 と・・・






























































「どうしたの?辛気臭い顔しちゃって・・・」



気が付くと、目の前にはがいた。



すっかりと身支度を整え、リビングに戻ってきたらしい。



「な、なんでもねぇよ・・・」



ぶっきらぼうに言葉を返す。



今のに、自分の思っていることを言うのは失礼だと思った。



精一杯 自分に協力してくれる、一番の理解者なのだ。



この好意に、泥を塗るわけにはいかない。



「・・・そう? ならいいけど・・・」



深く追求するような姿勢は無く、は部屋の戸締りに向かった。



エドもゆっくり仕度を始める。

















































別れの時が、迫ってくる・・・






















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