タイトル『偶然?運命?神の悪戯?・・・私は貴方を信じてる 第16話』
















「色々と有難う御座いました。」


少年はぺこりと頭を下げた。


「こちらこそ。」


「気を付けてね。」


ロイとリザは笑顔で少年を送る。




頭を上げる頃には、その姿は消え始めていた。


「また・・・どこかで。」


アルは、消えていく少年に笑いかけた。


「・・・はい。」




少年は消えた。跡形も無く―――

















「・・・ちゃんと、帰れたでしょうか?」


少年がいたその場所を見つめて、リザは不安そうに口を開いた。


「大丈夫だろう。・・・鋼のも、そのうち現れるさ。」


そう言いながら視線を逸らす。


外は、穏やかな日差しに包まれていた。


































ドスンッ



少年が消えた所とは違う場所で、何かが落ちた音がした。


その場にいた三人は、急いでそちらに振り返る。










「・・・兄さん!!!」










その姿を捉えるや否や、アルは一目散に掛けだした。


そして、しりもちをついて痛そうに座り込んでいるエドをよそに、その兄を抱き締めた。


「お帰り、兄さんっ!!・・・よかった!!!」


急な出来事に頭が付いていかないのか・・・されるがままのエドだったが、ようやく苦笑して言葉を発する。


「・・・痛ぇよ、アル。」


その言葉に、アルは はっと我に返った。


「あ・・・ゴメン。」






二人は暫く向き合った。






「戻って・・・来たんだな。」








「・・・うん、お帰りなさい。」








「・・・ただいま・・・」








そんな二人の様子を、ロイとリザは微笑みながら見つめていた。


ふと、アルがエドの異変に気付く。





「あれ?・・・兄さん、涙・・・」





そう言われたエドは、片手で自分の頬を確かめる。



そして、ふいに微笑み口を開いた。















「・・・涙なんかじゃ、ねぇよ。」















不思議そうに問うアルに、エドは笑顔のままだった。


「だったら・・・」











暫く自分の掌を見つめ、そっと頷く。


































「また逢えるって信じてる・・・その、『 証 』 だ。」









































空を見上げた









































一点の曇りも無い空を・・・・・









































オレは・・・お前を信じてる、この出会いは 『 運命 』 だって

















































































何処からともなく、歌が聞こえた









































安らぎさえ覚える、甘い旋律









































この日々たちが嘘ではないと、がいつまでも歌っているような・・・









































―― この声がいつまでも、あなたの元へ届きますように・・・――

















































































Float the moon the night when a star comes down

 星の降る夜、月を浮かべて



The starlit sky to pray is

 祈る星空、鮮やかに
 


It is a whisper to them winking

 またたく彼らに囁きを







If a next door is seen, it will be a sleeping face gentle to

 隣を見れば、優しい寝顔



It will be a faint sigh if a cheek is brought near

 頬を寄せれば、微かな吐息



The valid proof which surely is transmitted

 確かに伝わる、生きてる証







Two persons' time which never returns
 
 二度と戻らぬ、二人の時間



It is if it becomes recollections some day

 いつか想い出になるのなら



To trip where the wreckage is looked for

 その残骸を探す旅に



Gather and collect all fragments

 全ての欠片を拾い集めて



I am to the origin of you who love

 僕は愛する貴女の元へ







The times of being too gentle refuse me quietly

 優しすぎる時たちが、そっと僕らを拒絶する



Therefore, it is on this pure white map at least

 だからせめて、この真白ましろな地図に



a locus with you -- I will spell

 君との軌跡、綴っていこう







The separate way along which he walks alone

 独りで歩く、別々の道を



Moreover, it does not waver till the day which meets

 また逢う日まで、迷わぬように



If it is a guidepost, I will cut fine

 道標みちしるべなら、刻んでおこう







There needs to be nothing for the chance and the miracle which met

 出会った偶然は 奇跡じゃなくて



This world is surely necessary

 きっと・・・この世の必然だから







The day which encounters again

 再びめぐり逢うその日―――



It is believed that it gets used to one

 一つになれると、信じてる



































<Fin>




あとがきは、2006年1月22日の日記にて。

日本語訳は、反転で読めるようになってます。(間違ってたらすいません;;)

お付き合い下さって、有難う御座いました!





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