タイトル『偶然?運命?神の悪戯?・・・私は貴方を信じてる 第7話』
「なぁ、買い過ぎなんじゃねぇの・・・?」
エドは買い物カゴの中身を見て呟いた。
「えっ!?そんなに買ってな・・・」
は振り返りながら答えようとしたが、この言葉はすぐに詰まることになる。
カゴの中を見て、の顔は引き攣った。
「あ・・・」
エドが持っていてくれたので気付かなかったが、かなりの量だ。
日用品だけを揃えるつもりが、サービス品までカゴの中に納まっている。
「ゴ、ゴメン!一人じゃない買い物なんて久しぶりだから・・・戻してくるね!!」
はカゴの中を探り始めた。しかし、エドはその腕を掴んでやめさせる。
「やっぱ・・・いいんじゃねぇ?買いたいのは買えばいい。」
この言葉に、腕を掴まれた理由について疑問符を浮かべていたも 笑顔になった。
「じゃあ、今夜の夕食は美味しいの作るね♪」
「おう、頑張れよ。」
それからエドは重くなる一方のカゴを懸命に抱え、はさらにカゴを重くして家路に着いた。
「ゴメンね、重たかったでしょう?」
エドの日用品より、が買ったサービス特価品が多いようだ・・・
しかし、エドは文句一つ言わずに家まで運んでくれた。
「心配すんなって!こう見えても、力あるんだぜ?」
エドはニカッと笑ってみせた。
買ってきたものを終い終えると、は夕食作りに取り掛かる。
エドは風呂へと向かったらしい。先ほど、沸いたかを確認したようだ。
「オレ、先に入っちまっていいか?」
エドの問いに、は頷き返事に変えた。
「ウマい!やっぱり、お前 料理上手いんだな♪」
エドは笑顔でこう言った。
今日のメニューは、ロールキャベツ。
冷蔵庫の中が潤ったので、意外と簡単に出来たようだ。
「ありがとう」と、は微笑んだ。しかし、すぐに寂しそうな笑顔を見せる。
そして、口いっぱいにロールキャベツを頬張るエドを見つめた。
それから少し経ったときだった。
ようやく、エドはのスプーンが進んでいない事に気付く。
「・・・どうした?」
エドは心配そうに声を掛けた。
その言葉に、は少し笑顔を明るくして言った。
「私の両親ね、共働きだから家族と一緒に食事をした記憶がほとんど無くて。・・・だから、美味しいって言って貰うの初めてだったんなぁって。」
「すごく嬉しい・・・ありがとう。」
は本当に嬉しそうに笑った。
孤独を過ごした者しか出せない 柔らかな笑み
この表情を見たエドは、をまっすぐ見つめて口を開く。
「これからは、オレがいるからさ・・・いつまで居られるか分からねぇけど、居られる限り作ってくれるか・・・?」
ずっと独りだったにとって、これほど嬉しい言葉は無かった。
少し潤んだ瞳を向けて、は静かに微笑んだ。
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