タイトル『偶然?運命?神の悪戯?・・・私は貴方を信じてる 第9話』
全て読み終えると、エドは自分の口を片手で覆った。
「オレと・・同じじゃねぇか・・・」
記事と睨み合うエドに向かって、はこう付け足した。
「その人が消えたって時間ね、多分エドがこっちに来た時間と変わらないと思うの。私がエドを見つけたは、その数時間後だし・・・」
エドは、自分と同じ境遇にある少年を思って溜め息を付いた。
「もしかしたら、オレの世界にオレと引き換えで飛ばされたのかもな・・・」
は口を
噤む。
エドが何か、考え始めたのだ。
新聞を見つめ、必死でブツブツと呟いている。
は、エドが自分に気が付くまで隣に座り黙っていた。
数分後、エドはの方へ視線を変えた。
「この詳しい記事、もっとねぇかな・・・」
エドから新聞を受け取ると、は
顎に手を沿え考える。
ふと、新聞社の名前が目に止まり、目を輝かせてエドの質問に答えた。
「この新聞社、連絡取れるわ。お父さんがここの社長さんと知り合いなの!」
こう言うと、は立ち上がり嬉しそうに手を差し出した。
「帰ったら電話してみるっ。さぁ、今日は帰りましょう。」
の手を取り、エドは立ち上がる。
『 ひょっとして、こいつ・・お嬢様なのか・・・? 』
エドはすっかり暗くなった外を見据えて、カウンターへ一令し図書館を後にした。
「外灯、無いね・・・」
「しょうがねぇんじゃねぇの? ここ、田舎みてぇだし・・・」
帰り道を急ぐ二人だが、の足取りが遅くなっている。
それに気付いたエドは、からかうようにに言った。
「お前、怖いのか??」
気付かれたとばかりに、は顔を真っ赤にさせ少し大きな声で反論する。
「し、しょうがなじゃない! 怖いものは怖いのよっ!!」
は勢いに任せて、ズンズンと進みエドを追い抜く。
しかし、外灯が無い事に気づくとやはり足を止めて動かなくなってしまった。
「・・しょうがねぇなぁ。」
エドは苦笑しながらぼそりと呟くと、に歩み寄った。
そして、そっとの手を握り歩き出す。
「ちょっ・・エド?!」
「ほらっ!行くぞ!!」
困惑するは、手を引かれるがままに歩き出す。
『 エドってば、心臓壊れちゃうよ! 』
今にも はち切れそうな程の速さで、の心臓は鼓動を繰り返す。
時折現れる外灯で、エドの僅かな表情が見て取れた。
『 真っ赤・・・ 』
耳まで赤く染め、握る手からは緊張が伝わる気がした。
『 今感じているこの気持ち、あなたと同じだったらいいのにな・・・ 』
握られた手を見つめ、は刹那にそう願う。
『 私は、あなたが・・・ 』
エドはこれまでに無いほど焦っていた。
が怖がっているからと自分から握ったのはいいものの、こうした経験は今まで無かった。
『 畜生・・!手に変な汗かいちまったじゃねぇか!! 』
握る手を弱めるわけにもいかず、エドはそのまま歩き続けた。
『 頼むから・・この手を振りほどかないでくれよ・・・ 』
今にも解かれそうなその手を離すまいと、エドは懸命に願い続けた。
『 オレは、お前が・・・ 』
ふと、エドの握る力が緩んだ。
考え事に集中してしまったらしい。
慌ててまた、握ろうとする。
しかし・・それより先に、がエドの手を握った。
「なっ・・・」
エドは立ち止まり、慌ててを見る。
「こ、怖いから離さないでよ・・・!」
俯き加減にそう言ったは、エドにどうしようもない思いを抱かせた。
「繋いでて・・いいのか?」
エドは、不安そうにに尋ねる。
こくりとは頷いた。
「〜〜〜っ。」
『 期待しちまってもいいのか・・・? 』
エドは困惑したまま歩き出す。
『 暗くてよかった。顔、見られていないよね・・・ 』
真っ赤になる顔を隠しつつ、再びも歩き出す。
これから家に着くまでの道のりで、二人に会話は必要なかった。
あとがき。
親の目を盗みつつ、更新中です(^^ゞ
今週はテストがありまして・・・ 次の更新は早くても週末になりそうです。
私も、早くこの二人の関係を進めたいのですが(泣)
もう少し待って頂けると、嬉しいです!
では、読んで下さって有難う御座いましたv
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