タイトル『カタルシス 〜精神の浄化〜 第9話』
















キスの雨を降らせ、涙を堪えるロイが・・・愛おしくて仕方が無い。



























































は瞳を閉じた。



温かい言葉を掛けられたのは何年ぶりだろう・・・





























素直になった今ならば、素の自分を出してもいいですか?





























貴方は、こんな私でも・・・真正面から受け止めてくれますか?



























































ロイの腕をそっと握り、はキスの雨が止むのを待つ。



優しく触れる唇が、こんなにも愛おしいなんて・・・・・



こんな素晴らしい事、ロイ以外の誰が 私に教えてくれるだろう―――



























































「私はどうも、何かにすがらないとダメらしい――― お前に、ロイに縋ってはいけないだろうか・・・・・」



























































突然放たれた言葉に、ロイの表情は よりいっそう柔らかくなった。


「いけない訳無いだろう? 私は君の為なら何でも出来る。そう、地位も名誉も・・・命さえも・・・」


ロイの顔が一瞬曇った。


その曇る顔を、が見逃す筈など無い。





























「お前、まさか・・・」


の言葉に、ロイは苦笑しかしなかった。





























「・・・帰って、くれ・・・」


はロイから離れた。


「わ、私なんかの為にそんな事をするなっ! ・・・お前は大総統になるのだろう!? 私に話してくれたじゃないか!!」





























考えてもいなかった。


ロイが、地位を棄ててまで ここに来るなんて・・・


天秤に掛けた時に重いのは、どう見ても地位では無いか


亡くなった親友のためにも、上に昇るのではなかったのか!?


ポタポタと落ちる涙。


ロイはに言い聞かせるように、口を開く。


自分の気持ちを、愛する気持ちを。



























































「 私は、このまま君を見棄てる事など出来ない。・・・それは、君を愛してしまったからだ!


 出逢ってしまった、後には戻れない。


  呪うのなら、私と出逢ってしまった 君の運命を呪ってくれ・・・


 私は君といたい、これからも――― ずっと・・・ 」





























ロイの言葉を、は後ろを向いて聞いていた。


一向に諦める気配の無いロイを、半ば呆れて視界に映す。





























「・・・どこまで分からず屋だ、お前は・・・」





























――― 馬鹿だなぁ。」


小声で呟きながら、ロイの元へと走り出す。


「君のためなら、馬鹿と呼ばれたって構わないよ。」


を抱きとめながら、ロイは答えた。



























































「・・・君に出逢えて、本当に好かった・・・」



























































スッと、ロイの右手が頬に触れる。


溢れすぎた感情が、それを伝って流れてくるよう―――


「わ、私もだ・・・お前が・・・」





























躊躇ためらいがちに、自分の頬に触れる手を握る。





























「ロイがいれば、何も要らない・・・」



























































そっとそっと、キスをした。





甘く、痺れる程の 安らぎにも似た口付けを・・・





それは、永遠を約束する――― 二人だけの誓いの烙印らくいん







































































































運命をだと信じるか 偶然だとののしるか





























信じなくても構わない 罵られても構わない





























あの日 確かに、私たちは出逢ったのだから・・・



































Fin


あとがき。

お付き合い有難う御座いました!
『 カタルシス 〜精神の浄化〜 』、初のロイ連載夢が完結しました^^
無事に終われて良かったです。
お付き合いして下さった皆様、本当に有難う御座いましたv
修学旅行、行く前に終われて一安心です。
では、あとがきまで有難う御座いました!


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