タイトル『遅すぎた出会い 第15話(ハッピーエンドサイド)』




















「あの話聞いたか?」



「あぁ、本当に驚いた」



様がお帰りになった!」



「これで国も安泰だ」



「ラナード様のお話によると、様はどこぞの賊に攫われていたらしい。」



「国の混乱をさけて内密に今まで調査をされていたというが・・・」



「何年も諦めずに続けていらっしゃったとは・・・国王もさぞお喜びであろう」



「いや、それが国王様とはまだお会いされてないらしい。

 何年も賊の下にいたのだ。さぞや恐ろしい思いをなさっていたようだ。」



「あぁ、なんでも暫らくの間は専属のメイドとしか会わず体調などを整えるとのことだ。」



「では国の者への報告は?」



「もう暫らく様子を見てからという事らしい。」



「そうか・・・この国はこれからどうなっていくのだろうな」




















城の中はこんなにも寂びれてしまったというのに、庭の木々は綺麗に手入れをされているのが見える。






(生きているうちにこの城にまた来る事になるとは思わなかった・・・)





は城の最上階にある部屋の窓から、ぼんやりと外を見下ろしながら心の中で呟いた。


窓枠にそっと手を置き、目を瞑る。


ここにいた頃の記憶は、いい物とはお世辞にも言えないものだった。


これからもいい思い出ができるとは到底思えないが・・・








はそこまで考えると、無理やり連れて行かれたの姿を思い出した。


国の後継者に仕立て上げるつもりなのであれば、無事なはずだが・・・


その時、ドアが小さくノックされ鍵の開く音がした。


そしてドアの向こうから顔を覗かせたのは予想通りラナードだった。


ここ数日部屋に出入りするのは彼と、もう一人彼の忠実な部下であろう無口な青年だけだった。






「お体の調子はどうですか?様」





わざとらしいその問いに、は嫌悪感を感じつつも口を開く。




はどうしているの?」





のその言葉に、ラナードは持ってきた食事をテーブルの上に置きつつ答える。






「別室でお元気にしておられますよ?

 様にお会いしたいと泣かれることもありますが、ね・・・」




ラナードの言葉と笑みには堪えきれない憤りを感じた。


しかしのことを考えると行動には移せない。


その事がきちんとわかっているのかラナードは余裕の笑みを浮かべてから口を開く。






「そう、今のまま大人しくして下さればお2人とも何も心配することはありませんよ。

 後は国王がお亡くなりになってから私と共に国を治めてくださればいい。

 ただそれだけのことです。」




ラナードはそれだけ言うと、笑みをそのままに部屋から出て行った。


そしてまた無常にも鍵の閉まる音が部屋に響く。











「・・・・・・・・・・エド・・・・・」





はその場に膝をつき、愛するものたちの姿を思い浮かべて胸が締まるような思いを感じた。




























冷たい廊下に、コツコツと足音が響く。


ラナードは浮かんでくる笑みを隠そうともせず、心の中で呟く。






(全て思い通りだ・・・)





あの子供がいるかぎり、様は昔のように思い通りに動いて下さるだろう。


国王に意見して婚約までなんとか漕ぎ着けたというのに、土壇場になって逃げ出された時にはどうしようかと思ったが・・・


その上様がいなくなってからというもの、国王が私の意見をあまり聞かなくなってしまった。


しかし、様が戻ってきたのであれば・・・


そう、国王が病気で亡くなりかけている今戻ってきたのであれば・・・・・







あの様子では国王ももう長くはあるまい。


後は待つだけだ。


国王が亡くなったら様を国の皆に報告し、正式に王女になってもらえばいい。


他に候補もないのだ。


反対する者もあるまい。






そう、後は待つだけだ。


国王が息絶えるのを・・・・










ラナードは口元を歪ませて小さく笑った。


しかしその時・・・








「ラナード様!ここにおられましたか!」



慌ただしい足音と共に国王付きの医者が現れた。


ラナードは急いで笑みを収めると、眉を顰めて口を開く。






「何事だ。国王がご病気だというのに持ち場を離れおって。」




ラナードの咎めるようなその言葉にも、医者はそれど頃ではないと急いで口を開く。






「その国王がハッキリと意識を取り戻されました。

 容態も安定しております。まだ出歩けはしませんが、回復に向かっております!」




医者は目を輝かせてそう言った。


ラナードは医者の言葉に目を見開いた。






「そっそれは真か?」




ラナードの言葉に医者は大きく頷く。






(どういう事だ?あれほどまでに弱っていたというのに・・・)






ラナードは医者から目を逸らし心の中で呟く。


すると医者は未だ興奮しているのかさらに口を開いた。






「あぁ、これもロイス殿が連れてこられたあの医者のおかげです。

 あれだけの腕がありながら小さな村で治療を行っていたとは信じられない。」





医者のその言葉に、ラナードの顔は一気に顰められた。


しかしすぐに気づいて平常に戻すと、医者へと口を開く。






「では私は国王にお会いしてこよう」





ラナードの言葉に、医者も我に返って国王のいる部屋へと向かって歩き出す。


医者の後をついて歩きながら、ラナードは内心舌打ちをする。








(あの小僧め・・・・まさかここまでやるとは・・・・)






ラナードの忌々しげな表情に気づく者はいない・・・・・



















後書きという名の言い訳・・・

はい、微妙な終わり方です!(おいっ!)
なんて言うか・・・話しが全然進んでいませんね!

すみません!すみません!すみません!すみません!すみません!!!!

・・・・・きっと唯ちゃんならこれだけ謝れば許してくれるはず(おぉいっ!!!)
う〜ほんと申し訳ない!
続き書きにくいだろうけど頑張って!
・・・まぁ、私が一番頑張れよっ!て感じなんですけどね(遠い目)







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