タイトル『あなたに誓うは永遠の忠誠 第1話』
























あなたは永遠の愛を信じますか? 待ちつづける恋をしたいと思いますか?




一人の人を想い続ける、譲れない想いならば成就してほしいと思いませんか・・・?






― あなたに誓うは永遠の忠誠 ―









パンパンパンッ



心地よい朝の風が、爽やかにの頬をなでた。



「ふ〜っ、今日も朝のお仕事おしまい!」



ここは、セントラルからかなり離れた小さな町。自然の広がる綺麗な町だ。



この町での父は宿屋を営んでいる。



母はが小さい頃に病気で亡くなってしまった。



今では父の手伝いをして、この宿屋の看板娘となっていた。



朝の日課となっている掃除と洗濯を終らせると、空になった洗濯カゴを片手に父の元へ走り出した。



「お父さ〜んっ!朝の仕事終わったから図書館に行って来るね〜。」



近くに図書館があるのではよく利用している。



田舎には珍しい、国営の図書館なので毎日行っても読み終わらなさそうな程の本が置かれているのだ。



は図書館の雰囲気が好きだった。



高く積まれた本と窓からこぼれてくる日差しの中で、時が止まったかのような感覚を過ごす。



は今日もそんな一日を送ろうと、父の返事を聞いた後図書館に向かって走り出した。













「館長さん、おはようございます!」



が挨拶すると、カウンターから館長と呼ばれた初老の男性が顔を上げた。



そして品のある笑顔を見せてくれる。



「おはよう、ちゃん。今日も元気だね。」



宿屋によくお酒を飲みに来てくれる、この図書館の館長さんとはもう顔見知りだ。



は取りとめも無い話をしたあと、いつも通り読みきれ無いほどの本の中へ埋もれて行く。



しばらく棚を眺めていると、おもしろそうな題名の本を見つけ手にとった。



「・・・『錬金術と私の日常』・・・?」



中をパラパラとめくってみる。



その本には”錬金術”の基本的な事から、分かりやすく記されていた。



「へえー、面白そう。館長さんにも見せてあげようっと!」



その本を持ったまま、は館内を走り出した。



国営の図書館は広い上、錬金術など専門的な分野の資料は、カウンターから離れた奥にコーナーが設けられていた。



改めてこの図書館の広さを実感しながら、スピードを落とさずに角を曲がろうとした。



すると・・・






「うわっ!」



「きゃっ!」






出会い頭に、人とぶつかった。



「いったた・・・。ごめんなさい、大丈夫で・・・」



尻もちをついたは、謝る途中で差し出された手に気がついた。



「・・・ほら、掴まれよ。」



見上げると、自分と同じ年くらいの青年が立っていた。



ぶつかった勢いで尻もちをついた自分とは違う。



彼は片手を膝に置き、もう片方の手を差し出してくれている。



「いいのか?」



もう1度尋ねる。は慌てて彼の手を借り、立ち上がった。



「すいません。ぶつかってしまって・・・お怪我はないですか?」



「あぁ、全然平気だ。お前こそ大丈夫か?」



突然の笑顔がに向けられる。



くしゃっと歪められた顔は、あまりに無邪気で・・・



は自分の顔が赤くなっているのに気付き、俯いた。



心臓がトクン、トクンと早くなっていく。







自分ではどうしようもないくらい・・・







ふと、青年はの落とした本に目を落とした。



「・・・お前も錬金術やるのか?」



青年は落ちてしまった本を拾い、の前に差し出してくれた。



それを受け取ったは、慌てて質問を否定する。



「き、興味はあるんです。・・・でも技量が足りるか不安で。」



すると青年は微笑んで言った。



「・・・ある程度にしとけよ。」



意味を理解する事は出来なかったが、はその不思議な雰囲気に負けて頷いた。



「じゃあな。」そう言うと、青年はに背を向け本棚の影へ姿を消した。











はっと我に返り、は歩き出す。先ほど手渡された本を大事そうに抱きしめて・・・










新連載始めてしまいました・・・まだ「奇跡〜」が終わっていませんのに(^^ゞ
こちらの話はプロット出来上がってるので、さかさか書けそうですv
では、こちらの方も宜しくお願い致しますっ

NEXT→
Created by DreamEditor