タイトル『偶然?運命?神の悪戯?・・・私は貴方を信じてる 第6話』
















朝食を食べ終え、二人は買い物に出掛ける事になった。



久しぶりの外出に浮かれていただが、エドの服装を見つめて呟いた。







「エド、その格好って目立つよね・・・?」







そうか? と返事をするエド。まだこちらの世界の人間を見た事の無いエドにとっては、無理も無い反応かもしれない。



しかし、実際は目立つだろう。
















真っ赤なコートに、金色の髪と瞳 



そして、剥き出しの機械鎧
















右手と左足の理由は聞いていないが、時折軋む その音に胸を痛める。



「ちょっと待ってて。」



そう言うや否や、エドの返事も聞かずに は両親の部屋へ向かった。





「これっ! お父さんの洋服だけど、着られるよね? 外は寒いから、これ着てみて。」





戻ってきた の両手には、漆黒のジャケットと濃紺のジーンズが納まっている。



「サンキュー」



服を受け取ったエドは、その場で堂々と着替え始めてしまった。
















「ち、ちょっとエド!何でここで着替えるの!?あっち行って着替えてよ、デリカシー無さ過ぎ!!」
















はドキッとし、慌てて目を覆う。



の反応を面白く思ったのか、エドは上着を脱いだままに近づいて来た。



「なんだよ 〜。お前、免疫無いのか?・・・ほぼ一人暮し状態じゃ、しょうがねぇか♪」



意地の悪そうな笑顔近づいてくるエドと、少し頬を赤らめ 離れる。ジリジリと二人の距離が狭まる。その時だった。
















「きゃっ!?」



「っ、おいっ!」



後ろを見ていなかったの足に何かが当たり、はバランスを崩し倒れかけた。



反射的に伸びるの腕を、エドは咄嗟に掴む。



しかし 二人ともバランスを崩し、事の原因 ソファーに倒れ込んでしまった。



その体勢はつまり・・・
































「わ、わりぃっ!!・・・着替えてくる!!!」
































瞬間的に顔を真っ赤にさせたエドは、着替えを掴み 奥の部屋へと消えていった。



ソファーに倒れ込んだままのの顔は、ますます赤みを増していた。



「・・・なによ。自分だって、免疫無いんじゃない・・・」



腕で瞳を覆ったは、先ほどの出来事を思い返す。



正直、驚いていた。自分と背は変わらないのに、の腕を軽々と掴む大きな手。







気付いた時には目の前にあった、金色の瞳。近づけば近づくほど、逸らす事は出来なかった。







一気に変化した顔の色を思い出して、は不思議な気持ちに捕らわれた。



心の底から暖かい、今までに感じたことの無い感情だった。



この気持ちが、昨晩感じた気持ちを同じなのかどうか  さえも知る事は出来ない。
































「――― っ!!」



勢いよく扉を閉めたエドは、その場に崩れ込んだ。



何が起こったんだ!? そして、混乱する頭を必死で整理し始める。



あいつがバランスを崩したから 俺が腕を掴んで





「あいつの腕、細かったな・・・」





エドは、感触を思い出すように呟いた。



自分とは正反対な身体 はっきりと分からなかった腕の細さも、先ほどの出来事で把握する。



少し栗色を帯びた髪も、綺麗な瞳も 見入ってしまうほど繊細に感じられた。
















「守って・・・やりたい・・・」
















エドもまた、今までに感じた事の無い感情を感じていた。



それが何か 同様、知る術も無く








「そういえば、あいつ『それじゃ、目立つ』とか 何とか言ってたな・・・」



エドは、の髪や瞳の色を思い出し パンッと両手を合わせた。



「ラッキー、まだ 錬金術使えるじゃんっ。」



そう言いながら、エドは部屋を出た。






「ねぇ、エド さっきの光・・・あれっ!?」



扉が開くと共に 質問を投げかけただったが、出てきた人物を見るなり 眼を大きく見開いた。



の反応に笑いながら、エドは質問に答えた。



「さっきの光は、この瞳と髪を変化させるために練成したから起こったんだ。・・・これなら目立たないんだろ?」



エドは、ニッと笑った。髪の毛は漆黒、眼は茶色がかった黒 服装とも良く合う容姿になっている。



「とっても似合ってる。 今度、『練成』っていうの見せてね。・・・じゃあ、出掛けましょうか!」








エドの日用品を揃えるため、二人は買い物へ繰り出した。






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